つるつる 別名「粗忽の幇間」

幇間の一八が芸者のお梅に恋をしてしきりにくどくと、お梅はそれでは今夜二時に私の部屋へ来てくれという。「お前さんお酒を飲むとずぼらになっちまうから飲んじゃだめですよ」といわれ、今日は酒を飲むまいと思ったが途中で客に会い「客とお梅とどっちが大事か」などと引き止められてとうとうベロベロに酔ってしまう。約束の二時はとうに過ぎてもう朝方。一八はそれとは知らず、廊下から行くと師匠の枕もとを通らなければならないからと帯につかまって明り取りからつるつると下におりた。下で朝飯を食べていた主人が「一八、どうしたんだ、ねぼけやがって…」「えっへっへ。井戸替えの夢を見ました」

解説
今村信雄「落語事典」には「ブランコの夢を見ました」となっているが、八代目桂文楽もむかし通り「井戸替え」でさげている。

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