穴どろ(あなどろ) 別名「穴庫の泥棒」「晦日の三両」

大晦日に三両の工面ができずかみさんに叱られて家を飛び出した男、ぼんやり歩いていると大きな家の前に出た。ちょうど若い衆が遊びに出たところで木戸があいている。そっと中に入ってちらかっている酒や食物にありついていると子供が出てくる。おもしろがってあやしているうちに誤って穴ぐらに落ちてしまう。そのうち泥棒がいるというので大さわぎ。頭のところのいせいのいい男が「ひとつあたくしがひねりつぶして…」と飛んできたが穴ぐらの中で「降りてくりゃまたぐらへくらいつくぞ」などとどなっているのでしりごみする。旦那が「一両礼をするが上げてくれ」「しかし困りましたなあ」「じゃあ二両あげるから…」「どうもいけません」「盗人に追い銭だ。三両出そう」すると泥棒が「なに、三両、三両なら俺の方から上がっていく」

解説
昔は「穴庫の泥棒」といったのがつまって「穴どろ」になった。原話は嘉永頃に出た「今年はなし」に載っている「どろ棒」。

落語TOPペ-ジへ