90年代とこれから



いよいよ欧州連合(EU)のもと2002年からは単一通貨ユーロの流通が始まるまでのこの10年間余り、長年の政治不安、財政赤字、南北問題、失業問題、などの様々な懸案を改善し,EU参加基準【国内総生産に対する財政赤字の比率を,3%以内に抑える、等】を満たさねば、ヨーロッパの劣等国に転落してしまう正念場を迎えたイタリアは、ここ一番、柔軟に対応する現実性を発揮して,いわゆる、イタリア病を克服するのです。
たとえば、89年にベルリンの壁が崩壊するとイタリア共産党は’左翼民主党’と改名し社会民主主義政党となり96年の総選挙では中道左派第一党として政権の座につくのです。(プローディの”オリーブの木”運動に人民党などと結集)また、94年、反汚職、反マフィア目指す”Manipuriteー清潔な手運動”を始め、マフィアと政界の癒着を追っていた二人の判事が爆殺される犠牲を払いながらも、今度こそ追求の手をゆるめないのでした。。
又、政界浄化のための選挙制度改革運動が実を結び、93年には国民投票で小選挙区制の採択を決め、腐敗した連立政権を捨てました。
緊縮政策で社会保障、福祉予算を削り、ユーロ税を設けての財政改革、そして公共事業の中止(その痛みの多くは,公共事業への依存度の高い南部が蒙る事になるので何でまた南部が・・という批判の声もありますが・・)さらに規制緩和国営企業から民営へ等,まるで現在の日本病の手本となるような改革への果敢な取り組みの甲斐あって,98年に欧州経済通貨同盟への参加が決まりました。
けれども多様性を好む国民性からか・・・・??以前、汚職で辞任し、有罪判決となったベルルスコーニ元首相が今春の総選挙で再選されたのです。
チャンピ大統領から首相指名を受け、ヨーロッパ各国と摩擦を引き起こすのではないかと懸念の声も出るこの頃です。 (以後 更新せず)
このような多様な変革の社会を反映してかこの時代のイタリア音楽界には、前述のとうり様々なジャンル
の音楽が出揃いました。そして特筆に価するのは 
Laura Pausini の出現です。彼女のパリでのライヴは
大成功でしたし、また英語版、スペイン語版などもリリースしているので、アメリカ、南米各国でも絶大な人気を誇っています。

代表的なものをもう1度書き出してみると・・・・・

★今も活躍中の実力者・中堅の歌手達

ミルヴァミーナオルネッラ・ヴァノーニアル・バーノ,ジャンニ・モランディクラウディオ・バリョーニルーチョ・ダッラアントネッロ・ヴェンディッティ,クラウディオ・ヴィッラ,ジーノ・パオリ,パオロ・コンテ, ウンベルト・トッツィ, RAF, ズッケロ, アリ−チェRONスパーニャパティー・プラヴォー,ジャンナ・ナンニーニ,ロッサーナ・カザレ,アンナ・オクサ,フィオレッラ・マンノイア,マンゴ,エンリーコ・ルッジェーリ ,パオラ・トゥルチ, ヴァスコ・ロッシ, ロッサーナ・カザレ,リッカルド・コチャンテイヴァノ・フォッサーティ,パオロ・ヴァレージ, マルコ・マジーニ, フランチェスコ・デ・グレゴリ, ルーカ・カルボーニ, ルーカ・バルバロッサ, フィオレッロ, ノマーディ, エロス・ラマゾッテイ, アドゥリアーノ・チェレンター, ノミエッタ, ロベルト・ベッキオ−ニ, アンジェロ・ブランドゥアルディ,

フランコ・バッティアート実験音楽的プログレから、ポップス、オペラ、宗教音楽まで手がけ る鬼才。アリーチェや、ミルバのプロデュースも・・・
アントネッラ・ルッジェーロ〜マティア・バザールを脱退後はソロで活躍。あのアクロバティック  な歌声はますます魅力的。

今も活躍中の実力者達・・・グループ  

イ・プー【現在は Pooh プー】
’66結成の4人組。(名前は’”くまのプーさん”から)
73にリッカルド・フォッリが脱退、その後のメンバーが現在も活躍し、ヒット・パレードの上位に。 80年代末には環境問題に目を向けWWFのシンボルになる。
アイドル・グループと断じて彼等の曲は軽く、単純すぎると批判するむきもあるが,健全なイタリアを感じさせてくれる良質な作品を作り続けていて明るいノリの良さがあり今でもファンは多く,メンバーの一人一人が歌えるのが強味。

PFM
Premiata Forneria Marconiの略)
’68結成イタリアン・ロック史上最も大きな功績を残したバンド。
イタリアを代表するシンフォニック・ロック・グループとして英語でも歌い日本も含めて海外の評価も高かった。
プログレが80年中頃から衰退するにつれて、進む道を模索しているが、過去に成功をを収めたスタイルにこだわらず時代のサウンドを彼等ならではの感覚で咀嚼、再生し、ファブリツィオ・デ・アンドレのライブでも共演した。

マティア・バザール
’76年結成のジェノヴァの5人組。マティアというと誰もが思い出す天才的歌姫と言われるアントネッラ・ルッジェーロが’89に脱退しソロに転じて、2代目のラウラ・ヴァレンテへとメンバー・チェンジもあり、しかも’98にはリーダーのアルド・ステッリ−タ(ベース)を癌で失うという不幸に見舞われ,もうマティアも終わりかと誰もが思いました。
然し,マティアは不死鳥でした。 結成時の中心人物で’82から独自の活動(エロス・rマゾッティのプロデュースなど)をしていたピエロ・カッサーノが20年ぶりに復帰し,マンゴとの結婚で脱退したラウラ・ヴァレンテの後の女性歌手にシルヴィア・メッザノッテを迎え再出発した第3期,新生マティアは’01のサンレモで3位に入賞し,見事復活を果たしファンを喜ばせました。

ニュートロルス
’66、ジェノヴァで結成、’76に再結成し現在も活動中。
カンツォーネにロック的解釈を加えたり、またクラッシックとロックを融合させたり(”コンチェルトグロッソ(1)”はユーロ・ロック・ファン必聴盤の傑作)絶えず、マンネリ化せずに活躍を続けている。
その息の長さ、質の高さは、イ・プー同様、イタリア音楽界の支えとなっている。最近はサッカー・チームの応援歌”Forza Doria"やセリエAのテーマ曲を歌い、大御所然と納まりかえらない活動もしている。

最近のグループ
ディロッタ・ス・クーバ, ピッコラ・オルケスタ・アヴィニョン・トラヴェル
エリオ・エ・レ・ストーリエ=テーゼ, ルーナ・ポップ, タゼンダ(サルデーニャ出身),
ヴィブラツィオーニ・プロダクションズ(フレッド・ヴェンチューラ率いるポップなチーム。ヒップ・ホ ップ,レゲエ,   ラップ,ソウル何でもあり
ラップジョヴァノッティ(言葉遊びだけでなく、きちんと社会批判があるのが日本のラップと違う。イレーネ・ラメ ディカ、アルティコロ31など若手に多い)
アカペラネーリ・ペル・カーゾ(男性6人組,親戚4人プラス2人)
クラッシック出身アンドレア・ボチェッリ、フィリッパ・ジョルダーノ
ブルース調ファウスト・レアリ、アレックス・ブリッティズッケロ,ピーノ・ダニエレ etc.
ロック、JAZZ、ブルース、ナポレターナ等の融合ピーノ・ダニエレ
レゲエレゲエ・ナショナル・ティケット
ナポレターナの味レンッオ・アルボレ,ジジ・ダレッシオ、エディ・ナポリ、ロベルト・ム−ロロ、 テレーザ・デ・シーオ、アウレリオ・フィエッロ、ニーノ・ダンジェロ、ペッピーノ・ディ・カープリ
新人からベテランへローラ・パウジーニ、 イレーネ・グランディ,NEK, ジョルジア, ジャンルーカ・グリニャーニ,カルメン・コンソリ、エリーザ
デュエットアル・バーノ&ロミナ・パワー(仲の良いカップルならではの甘く美しいハーモニー。カンツォーネ風  のメロディーゆえ軽く見られるが80年代のサンレモで4回優勝の実力者。イタリア最強の夫婦と言われていたのに 最近,離婚とか・・・ちなみにロミナ・パワーの美貌は父親である往年の美男俳優,タイロン・パワーゆずりです。)
パオラ・エ・キアラ(可愛い姉妹の2人組,でも見た目だけじゃない)

いまでも60年代のカンツォーネ以来の大御所がそれぞれ古臭くならずに新しい挑戦をしながら活躍しているかたわら、中堅も若手も元気に我が道を行く。
このように様々なジャンルのアーティストを楽しめる今のイタリア音楽界はかつて無いほど豊かな花が咲き競う花園のよう・・・まさに百花繚乱・・・・・
今年のサンレモのヤング部門で優勝」したガゾーザ(GAZOSA)は14〜16才の少女3人と男の子の4人組と言うから驚き!!
もともと一人一人の個性を大事にするイタリアらしさが思う存分発揮されてきて益々面白くなりそうなイタリアン・ミュージック・シーン。
こんな,彩り豊かなイタリアンポップス&カンツォーネの世界を日本でも,もっと身近に楽めたら良いですネ!!

90年代サンレモの主な優勝者と曲名

90− 1位ーDee Dee Bridgewater-Pooh/Uomini soli
    2位ーRay Charles-Toto Cutugno/Gliamori
    3位ーNikka Costa-Amedeo Minghi e Mietta
     /VatteneAmore
91−1位ーSara Jane Morris-Riccardo Cocciante
     /Se stiamo Insieme (僕等が一緒に居るってことは)
    2位ーGrace JonesーRenato Zero/Spalle al Muro
    3位ーDee Dee Bridgewater−Marco Masini
     /Perche'lo fai (愛の警告)
92ー1位ーLuca Barbarossa/Porta mi Ballare
    2位ーMia Martini/Gliuomininoncambiano
    3位ーPaolo Vallesi/La Forza della Vita(せつなさより強く)
93−1位ーEnrico Ruggeri/Mistero
     2位ーCristianoDeAndre'
     3位ーRossana Casale-Grazia Di Michele
    /Gliamoridiversi
94−1位ーAleandro Baldi/Passera'
    2位ーGiorgio Faletti/Signor Tenente
    3位ー
Laura Pausini/Strani Amori (不思議な愛)
95−1位ーGiorgia/Come saprei (どうしたらいいの?)
    2位ーGianni Morandi & Barbara Cola/Inamore
    3位ーSpagna/Gentecomenoi
96−1位ーRon/Vorrei Incontrarti fra cent'anni
    2位ーElio e le Storie Tese/Laterra dei Cachi
    3位ーGiorgia/Strano il mio destino
97−1位ーJalisse/Fiumi di parole
    2位ーAnna Oxa/Storie
    3位ーSyria/Seitu
98ー1位ーAnalisa Minetti/Senza te o conte
    2位ーAntonella Ruggiero/Amore Lontanissimo
    3位ーLisa/Sempre
99ー1位ーAnna Oxa/Senza Pieta
    2位ーAntonella Ruggiero
      /Non ti dimentico
    3位ーMariella Nava/Cose la Vita

2000年代サンレモ優勝者と曲名 詳しくはPOP ITALIANOさんのページをご覧ください

’01−1位ーPiccolo Orchesta Avion Travel
     /Sentimento
     2位ーIrene Grandi/La tua ragazza
     3位ーGianni Morandi/Innamorato
’02ー1位ーElisa/Luce
     2位ーGiorgia/Di soleed'azzurro
     3位ーMatia Bazar
      /Questa Nostra Storia d'amore

この時代に活躍中他の歌手
シリア,883ジェニー・B, カルメン・コンソーリ、マリーナ・レイ、ステファノ・リージ, ジェラルディーナ・トゥロバート,クイントリーゴ,マリオ・ヴェヌーティ、ブルヴェルティーゴ、サーラ・セイ,マリエッラ・ナーヴァ、アルティコロ・31、レーダ・バティスティ,
ダニエーレ・シルヴェストゥリ、 ティツィアーノ・フェッロ、ステファノ・ピッキ、パオロ・メネグッツイ、ネグリータ 他 多数

Franco Battiato/Fisiognomica

Paolo Conte/Una Faccia in Prestito

Renzo Arbore/Sud(s)

Msngo/L'oro di Mango

Laura Pausini / Le cose che vivi (ローラの休日)

Giorgia/Come Therma & Louise

Papla e Chiara/Ci Chiamano Bambine

Riccardo Fogli/I Successi Di

テレサ・デ・シーオ/ヴォーリャ・エ・トゥルナ

Irene Grandi/Per Fortuna Purtroppo

カルメン・コンソリ/すたーと・ディ・ネチェシタ

Mietta/La Mia Anima

Massimo Di Cataldo/Crescendo

Tazenda/IL Popolo Pock

Quintorigo

アンナ・タタンジェロ/ラガツッア・ディ・ペリフェリーア